調味料・だし
商品へのこだわり【寺岡家シリーズ】
創業明治廿年 寺岡家十三代の伝統
広大な有機農場で始まる原料づくり
寺岡家の醤油は明治20年の創業以来安全で天然醸造の美味しい本物の醤油造りに取り組んできた。
寺岡家代13代当主である寺岡晋作社長は、昭和50年広島県中部・世羅高原の自社所有の山を切り拓き、さらに45へクタールの農園を作った。
実に30年近く一貫して無農薬・無化学肥料で大豆や小麦を生産し、それを醤油の原料としてきた。
平成13年には有機JASの認定を受け、原料の大豆や小麦を無農薬で栽培するだけでなく、その収穫や運搬・保存においても、有害物質の混入を防ぎ、醤油の 製造工程においても、化学薬品や合成添加物の使用がないと認められたのである。
昔ながらの天然醸造
世羅高原の地に足を下ろすと、そこには自然林に囲まれた広大な畑が連なっていた。
時期にしては、先日小麦の種まきをしたばかり。
広大な畑を案内してもらっていると、ちょうどゴボウを掘っている畑に出くわした。
私たちの知っているゴボウといえば、どれもが均一に細くて長くて黒いものであるが、ここのゴボウは色も通常のものより白く、木の根っこのように野生そのものの様相である。
もっとも、近隣の市場のみに出しているらしく、市場に出すときには極力選別して出荷しているとのことだが、このゴボウの姿こそがあるべき姿のように思えた。
この畑の場所と土の手触りが余りに良いもので、土を食べてみると、ジャリッとした感触が口中に残るものの土そのものが甘く旨い。化学肥料などが入っている土は苦くて旨くないものだ。
ゴボウの味も土の味によく似て、生でかじってもエグ味がなく、実に甘くてジューシー。
他にも、この畑ではニンジン、たまねぎ、じゃがいも、サツマイモ、ニンニクを作っている。ニンジンを生でかじってみて、その甘さには驚いた。
徹底して材料にこだわる
さて、醤油である。今伊勢神宮は古くから伊勢神宮参りの代わりとして西日本各地の方々が参拝している由緒ある神社であるが、なんと工場は今伊勢神宮の境内という厳かな土地を借りて醸造している。
創業者の寺岡伍一氏が今伊勢神宮の神社総代を務めていたというご縁もあったのだろうか。
工場の周りには何ともいえない醤油独特のたまらなく良い匂いが漂っている。
「丹精込めて醸造してこそ初めてその商品に対して責任が持てる」という創業者の初心が今なお貫かれているのだろう、古い施設の隅々までその伝統の良さが感じられる。
工場の裏山の山道を辿ると名水といわれる湧き水にたどり着く。
寺岡家の醤油は、この地下水を仕込みに使っている。ミネラル豊富なこの自然水と、カルシウムやマグネシウムなどを豊富に含む自然塩で有機栽培の大豆と小麦を仕込み、醤油の源であるもろみを造る。
徹底して材料にこだわり、造ったもろみを杉桶に寝かせ、ゆっくりと時間をかけて熟成させる。旨みとコク、芳醇な薫りに富んでいるのが、この醤油の特徴であ り、人間にとって大切な栄養に溢れている。JAS有機に統一された農園と製造工場、その使命と伝統に生きる姿を気持ちよく感じることができた。
本物を守り続けたい
寺岡社長いわく
「私どもの醤油は、火を入れてすぐ造ってしまう醤油ではなく、あくまでも自然の気候温度のなかでゆっくりと何年もかけて造っていくわけです。
まずは、その伝統、本物を守り続けたいですね。
それを基本に、JAS有機のラインナップを増やしていきたい。
将来的にはレストランなど外食産業に私の作ったものを使ってほしいです。
でも、味をまだまだ追求したい。
もちろん、安全な有機で。本物の有機は旨い、ということを知らせていきたい。
お客様に喜んでいただける本物を造り続けていきたいです。」
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