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特集 「渡り鳥のお米」の米作り一年 |
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「渡り鳥のお米」の生産者は、豊かな自然環境のもと無農薬・無化学肥料のお米作りを行っています。 1、お米を育てる人
「渡り鳥のお米」を一生懸命育てて下さるのは、小野寺實彦さんをリーダーとする生産グループ。 小野寺さんの稲作りの特徴はなんと言っても雁だけでなく、田んぼの生きものと共生すること。 植物も小動物も、渡り鳥も土地の野鳥も、田んぼの中で共生しているのです。たくさんの命の連鎖の中で生まれたお米は、命のあふれる、生命力豊かなお米であり、それを育む田んぼそのものが小野寺さんの誇りです。 2、蕪栗沼
田尻の北の端には、蕪栗沼という湿地があります。 田尻の冬の景色は何と言っても、早朝の雁の飛び立ちです。朝のまだ薄暗いうちに雁は飛び立ちます。何万羽もの雁がいっせいに飛び立つ瞬間の羽ばたきは、体の芯まで響いてきます。 冬場、田んぼに水を張っているとどこで聞いてきたのか、白鳥が舞い降り、田んぼの中で餌を採ったり、休憩したりします。 白鳥は雑草を食べてくれることや糞が肥料分の供給になるなど、自然との共生を目指す稲づくりにとってとても興味深い試みです。
3、稲作りの準備と種まき
稲づくりは、2月に始まります。前年田んぼから採っておいた種モミをお湯で消毒し、その後、氷が張る水の中で約1ヶ月の間寝かしておきます。 それにより、種モミは、十分な水分を吸収すると同時に、発芽を抑制する物質を種モミの中から溶け出します。これは、出来るだけ自然に近い温度で発芽を促すためです。 私たちのお米作りの基本は、人間が無理にイネの生長を促すのではなく、なるべく自然に近い環境で、イネ本来の生長を助けることなのです。 4月の初め、種まきとなるといよいよ忙しくなります。
4、育苗と肥料
種まき後数日すると苗が出てきます。 苗は、1.5〜2葉になるとプール育苗に移行します。
5、田植え
生産者の小野寺さんたちは、浅く耕すだけで田んぼに苗を植え付けます。 田んぼの表層だけを耕すことで、田んぼに棲む様々な微生物の生活を混乱させないようにしています。また、稲藁が深く鋤き込まれないので夏場の根ぐされも起こりにくくなります。
6、稲の生長
当初、私たちの田んぼの姿は、慣行田に比べると非常にさびしい感じがします。6月になってもまわりの田んぼは青々と稲葉で覆われるのに、隙間だらけです。 7月になると慣行田では、田んぼは稲の葉に覆われて地面が見えません。 しかし、ここから私たちの田んぼは慣行田の稲の生育を追い越します。これは、苗どうしが込み合わないために十分に根を地面に張ることができ、茎が太くなり、稲も慣行稲よりも大きくなるからです。 8月にもなれば、私たちの稲の茎葉は慣行稲よりもひとまわり大きくなり、大きく葉を開いた稲が葉一面に十分な日光を受けます。 8月中旬の朝、稲は茎から穂を出すと同時にもみを開いて白いおしべを出します。 開花受粉は午前中のほんの数時間のうちに行われます。稲はその後、モミに蓄えていた養分を注ぎ込むことに全力を使います。 根が土中深くまで張っている私たちの稲は、穂が実るまで養分を吸い続けます。
7、田んぼの生きもの
夏の田んぼでは、様々な生きものを見つけることができます。 田んぼの畦を歩くと田んぼの水面近くにいたオタマジャクシが潜っていきます。オタマジャクシは、やがて足を生やし、カエルになります。そのほかにも、カブトエビやイトミミズ、トンボ、タニシ、ドジョウ、鳥類と夏の田んぼはとてもにぎやかです。 田んぼは単なる米を作る場所ではなく、さまざまな生き物の命であふれています。 また、田んぼの生き物の遺骸はやがて分解され、田んぼの養分となります。
田んぼの生き物が、 どんどん活発になる7月、
田んぼの生き物調査が 本格的に始まりました。 おたまじゃくし、メダカ、ゲンゴロウ、貝エビ、 糸ミミズ、ヤゴ、クモ、カエル・・・。
8、秋の稔り 穂が色づき始めると田んぼの生物の様子も変わってきます。 10月になると収穫の季節が始まります。黄金色の田んぼの中でコンバインがエンジン音を響かせながら、稲穂を刈り取っていきます。稲作りの苦労が報われるときです。
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