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奄美の太陽と風と大地が丹精込めて造りました。 400年の秘伝を今に伝える加計呂麻きび酢。
『400年の歴史がつまった この酢は、かけろまの宝物ですよ。』 島の大気に浮遊する酵母菌と酢酸菌が、たまたま放置されていた糖水を酢に変えたのです。 その偶然はまさに、神の采配。 それがまぼろしのお酢と云われる由縁です。 4年の歳月をかけて生まれる まず、一番釜で絞ったさとうきびの汁を煮立てアク抜きをします。二番釜に移しさらにアク抜き。ここから黒糖ときび酢に分かれます。黒糖はさらに三番釜で丁寧に煮立てます。 この時の職人の混ぜる速度と火加減で品物の良否が決まります。今では出来る人が限られる熟練の技で、島でも数人しか出来ません。 きび酢は二番釜から移し、亜熱帯雨林から湧き出た自然水で糖度19度から20度までに希釈します。井戸水でも水道水でもだめで、この沢から湧き出る自然水でしかうまく出来ないそうです。後はただ土中に三分の一ほど埋め込んだ大きな瓶に移すだけです。 ここからは人の手は入らず自然に任せます。すると加計呂麻の空気中に浮遊している、酢酸菌・酵母菌が自然に醗酵してくれるのです。翌日には何もしていないのに、瓶の中は真っ白の泡で覆われ、まるで沸騰しているかの様にピチピチと小さな音を立てて泡が噴出し醗酵します。 最初の二日は沸騰したかのようにぶくぶくと泡を吹く自然発酵。丁寧にアクを取り除き一週間ほどでアルコール発酵、さらに一週間で酢酸発酵します。 落ち着き始めると熟成し一年で酸度6〜7度になります。そうなって初めて農家醗酵所から貯蔵庫に移します。その時には鼻を刺すような臭いが、次第に柔らかくなり、色が綺麗なあめ色に変化してくるそうです。最後には透明感のある、あめ色の美しい酢になるのです。 さとうきび栽培から製品まで、実に4年の時間が必要です。 きび酢は、崟昭二さん(たかし しょうじ) 西田漢冶さん(にしだ かんじ) 上田博和さん(うえだ ひろかず)の三名が保有する製糖工場で生産されます。製糖工場といっても皆さんが想像する工場とはまったく違います。小さい小屋のような工場に昔ながらの絞り機が置かれ、雑然と釜が一番から三番まで並んでいます。 燃料はさとうきびの絞りかす。外部との境界になる壁は開けっ放しです。一見するとそこで砂糖を作っているとは都会の人間からは判りません。生産者の話では、毎日瓶の中の酢が変化をしていくのを見るのが何よりの楽しみだそうです。 自然発酵と呼べるのは、世界で3種類だけです。ハワイのパイナップルビネガ−、イタリヤのバルサミコ酢、そして加計呂麻のきび酢だけです。
加計呂麻島以外、日本のどこで作っても作ることが出来ません。沖縄でも鹿児島でも出来ないし、奄美本島でさえ作る事は出来ないのです。加計呂麻の土と空気と水、それに温度が必要なのです。まったく自然にゆだねて、自然に任せ切って作るには環境が合致しなければ出来ないのです。
まろやかで、鼻にツーンとくる匂いもなく、やわらかい味。それでいてさとうきびの甘さがほのかに感じられるのが特徴です。