| 「作物というものは生産者に似るんですよ。家庭でもそうですよね。きちんとした食事を子供に作り、食べさせ、愛情たっぷりかけて、ときには厳しくして育てた子供と、ほったらかしでインスタント食品ばかり与えてる子供では、違って当然でしょう。それと同じですよ。農家にも、「物」を作っても「本物」を作れる農家が少ない。50人、100人が同じ品種を作っても、同じ品質はないんです。」
さらに、「数え切れないほど視察もしました。良いところを観ていると悪いところを見抜く力がつくものです。井の中の蛙ではだめですよ。そして、何より大切なのは「意欲」です。人生は「意欲」です。壁は破られるためにあって、壁を破れば何かを得るんです。私のれんこんは、「意欲」が認められて、農林水産大臣賞を得たんですから。」
「私はいつも夢を持って生きてきました。いくつになっても常に夢は持たなくっちゃ・・・」
「もうすぐ息子の代になるでしょう。引くときは清くサッと身を引く。手放すと何かが出てくるはずですよ。」
れんこん田に涼しい風が吹いた。遠くでセミが鳴いていた。 |